活動レポート

「川崎市政・大規模開発『黒書』」の説明会を開きました

2017年7月27日

7月27日、日本共産党市会議員団が作成した「福田市政4年間、その最大の特徴は何だったのかー。」

子育て・教育・福祉の現状は-。
川崎市の財政、市民の願いを実現する展望は-。
市民の立場から検証します。

170727 「川崎市政・大規模開発『黒書』」の冊子(表紙)「川崎市政・大規模開発『黒書』」の説明会を開き、急な呼びかけでしかも夜間でしたが、100名を超える市民があつまってくださいました。

私(市古)から、約1時間に渡って説明させてもらいましたが、何しろ108頁にわたる冊子で、概略の説明でしたが、ご希望の方には差し上げますので、議員団にご連絡ください。

川崎市の人口は、この5月で150万人を越えました。予想より3年早い人口増でした。

7月25日には、2017年度川崎市普通交付税の額の決定が発表されましたが、川崎市は2年連続で普通交付税不交付団体となり、財政力指数は、依然として政令都市トップです。因みに不交付団体になったのは、東京都と政令市では川崎市だけです。

私たちはこの4年間、全市民対象の「市民アンケート」を2回、さらに日々市民のみなさんのご要望をお聞きし、いっしょに運動にも取り組み、市民のために進んだ取組みをおこなっている他都市の調査もしながら、11名の議員が政務調査員とともに力を合わせながら、福田市政と論戦し、政策提言も積極的に行なってきました。

この4年間、改めてわかったことは、福田市政の最大の特徴・問題点は、異常なほどの大規模開発優先の市政であるということでした。それは、阿部前市長の比ではない、かつてない規模とスピードで進んだことを実感してきたことです。

たしかに阿部前市長も大規模開発は計画していました。しかしその計画を現市長は一つひとつその事業の可否を判断することなく、実行へ猛スピードで走り出した4年間だったのです。

170727-説明会の模様いままで4年に一度、『黒書』は出していましたが、今回の作成にあたって、この異常な「大規模開発」「税金の使われ方」に焦点を当て、市民に知らせていかなければいけないということで、作業をすすめてきました。

同時に、それと対比した市民生活の実態はどうなっているのかをある程度お伝えしてこそ、自治体としての税金の使い方が逆立ちしていることがより鮮明に伝わるのではないかとして、子育て・教育・高齢者・障がい者・防災・行財政改革・財政の現状などの分野に絞って、市民生活の分野をまとめることにしました。

全体の構成は3部構成・13章から成り立っています。

第3部:「豊かな財政を市民生活の向上に使わなかった市政」では、福田市長が重点公約としていた保育園待機児童問題、小児医療費など子育て支援、教育環境の改善はどうだったのか。

待機児童は今年度も「ゼロ」と発表されましたが、「隠れ待機児童」は2,891人と過去最高でした。入所申請者数に対する「隠れ待機児童数」の割合は政令都市でワースト1位です。園庭のない保育園は85園あり、これも政令都市でワースト1位です。

小児医療費助成は、市長選では「選挙が終わったらすぐにでも小学6年生まで無料にする」と公約していました。今年からやっと6年生まで年齢は拡大されましたが、所得制限はそのまま、4年生からは500円程度という窓口負担金も導入されてしまい、助成対象年齢、所得制限、窓口負担金の有無などの比較で、川崎市は政令都市で最低水準に落ち込みました。

高齢者には、きわめて冷たい予算と施策が続いています。

高齢者人口はこの3年間に28,000人増えているのに、福田市長が就任した2013年度予算と比較して、高齢者福祉分は2億円増えただけです。

介護保険料の負担はすでに限界にきており、いまでは県内でいちばん高く、さらにこのままでは値上げは余儀なくされます。

特養ホームの待機率は政令都市ワースト1位。特養ホームの整備は福田市長になってから大幅にペースダウンしました。待機期日の長期化で、家族がたいへん困っている状況も、「高齢者実態調査報告書」でも明らかです。

市職員の働き方も異常な長時間労働で、健康破壊が深刻であることも告発してきましたが、この10年間をみても人口増が著しい川崎市で、行政改革による極端な職員減らしが行われたことが大きな要因なのに、川崎市がこの3月示した「働き方改革」では、職員の増員は盛り込まれていません。

まちづくりでは、住民の声にまったく聞く耳をもたず、市が最大の地権者である土地にも超高層マンションの建設を推進しました。武蔵小杉駅周辺への人口集中の歪は、保育園の圧倒的不足、小学校の狭隘、最寄の武蔵小杉駅の危険ともいえる混雑などとして現れて、大問題になっています。

第1部・第2部の不要不急の大規模公共事業、川崎港でまさに大判ぶるまいの様相を、歴史を追って告発しています。川崎港コンテナターミナルはその整備、事業化、破たんの経過を含めて掲載しました。

1993年以降、400億円ほどかけて「税源培養」「雇用創出」につながる、「都市間競争に打ち勝つ」など、繰り返し当時の市長は発言し、施設整備を行いましたが、私たちが予想した通り、赤字は続き、公的支援もしましたが、供用開始から8年後の2004年に事業は破たんしました。破産処理にかかわる市の負債額は約16億円に上りました。

阿部前市長時代、2008年3月、川崎市・横浜市・東京都の首長が京浜3港の広域連携強化に係わる基本合意を締結し、その8月には京浜3港は、国から「国際コンテナ戦略港湾」に選定されました。

その後、2011年東日本大震災が発生。さらに、川崎コンテナターミナルの稼働状況は低迷し、国の関係機関でも話題になりました。

2013年就任した福田市長はすぐに、京浜3港のさらなる連携を進め、川崎港の物流強化をはかるとして、港湾審議会にあらたな「港湾計画案」が示されました。

その時点で年間約3万TEU程度だったコンテナ取扱量を、10年後には年間40万TEUに増えるとの過大予測を前提に、東扇島に第2バースを増設し、第3バースの整備計画、3基目のガントリークレーンの整備、第1バースの横、堀込部を埋め立て、完成自動車保管用地のために整備拡張の計画が盛り込まれました。

2013年にはガントリークレーンも3号機まで新設しましたが、思うように稼働はしていません。

その後の2017年3月に「川崎港コンテナターミナル施設整備の考え方」という名で、当面16.6億円かけて、現コンテナターミナル施設の拡張を行うという計画が発表されました。

ここでは平成32年度に年間コンテナ取扱量を15万TEUを目標にするということになり、当初平成30年代後半に40万TEUにするというのは過大予測だったことが裏付けられたのです。いま、コンテナ船事業は世界的にみても危機的状況に陥っているといわれています。

先に見た堀込部の埋め立てについても、建設発生土を埋め立て用材として受け入れ、海面を埋め立て土地の造成を行なうというもので、2016年から10年間の事業として、概算事業費は約240億円、一般財源からの繰り入れはしないと当初いってきましたが、最近では一般財源の投入もちらつかせるなど、結局ずさんな資金計画であるのに、埋め立て免許の出願を前提とした強行姿勢を崩していません。しかも、ここを完成自動車の保管用地としてきましたが、いま、自動車のほとんどは現地生産になっているのです。

第5章は、総額540億円の臨港道路・東扇町-水江町線についてです。当初、川崎港コンテナターミナルから内陸部への「コンテナ輸送路」が理由でしたが、コンテナ取扱量が予想通り増えず、理由がなくなりました。

その後、東日本大震災が発生し、防災上の必要性として整備の必要性が言われました。ところが津波による避難路としてはふさわしくないことが判明。次には、千鳥町と東扇島を結ぶ海底トンネルの渋滞対策が理由づけられましたが、これも新たな橋をかけるほど渋滞は発生していないことが判明しました。

ところが、港湾局長は最後には「交通渋滞解消のみが目的ではない」と開き直り、整備推進に固執して、事業に着手しました。

第6章は、まさに税金の二重投資であり、環境破壊の羽田連絡道路整備を本格化したことです。総事業費は250~300億円というものです。これが完成すると、河口から5キロ圏内に多摩川を渡る橋が5本できることになります。

市民が要望したわけではありません。「生体系保持空間」に位置づけられている「重要野鳥生息地」が破壊される危険性が大になっています。

臨港道路と羽田連絡道路、この2つの橋は福田市長になってから、一気に予算化、本格化したのです。

第7章は、国際戦略特区についてです。
川崎市が土地を購入し、土地の無償貸与など様々な優遇措置を講じて企業誘致を推進してきました。

私たちは、先端医療の研究、基礎研究の発展そのものは必要と思います。しかし、本来この研究は国が取り組むべき分野であり、一つの自治体で取り組むべきことではありません。自治体には税源培養にも市民の雇用拡大にもつながらず、自治体の産業政策として、ふさわしいものではありません。

福田市政の4年間は、すさまじい大規模開発が推進されてきました。

市の財政についてです。財政力指数は、政令都市でトップ。市の貯金である「減債基金」は8年後には2,874億円まで積み増しされます。市民一人当たりの市債残高(借金)は、政令都市のなかで12番目と中程度です。減債基金も多いが、借金も多い大阪市や北九州市とは違います。

しかし、こんな無駄な大規模事業にのめり込んでいけば、まさにいくらお金があっても足らなくなります。借金・後年度負担が増え、子ども達に借金を残すことになります。川崎史上空前の税金の無駄遣い、大規模開発優先の市政から、今こそ、税金の無駄遣いをストップさせる必要があります。

豊かな財政を市民の願い実現と市民生活の充実に生かし、子育ても老後も安心で、高齢者や障がい者も、中小企業も商店街も安心して営業し、暮らしていける市政こそ求められています。