議会活動報告

堺市、御坊市を視察し、たくさんのことを学びました

2018年10月23日

10月22日~23日、川崎市議会の議員視察で、大阪府堺市と和歌山県御坊市に伺いました。新幹線で、新大阪へ。その後、なんば駅、堺東駅から市役所に到着しました。

181022-堺市健康福祉プラザ初めに、「堺市ものづくり『魅せる化』支援事業補助金」について伺いました。この事業は、見学者の受け入れなど、ものづくりの魅力を発信する製造事業者に経費の一部を補助するというものです。

補助の対象者は中小企業者または中小企業者が構成員が過半数を占める法人とし、300万円を上限額として補助対象経費の2分の1以内を補助します。

今まで活用された事例は、刃物製造業、アルミニウム表面処理、染色業など8件で、今年度も4件が申請しているそうです。補助金を受け取る7~8割は堺市の伝統産業です。

一番多いのは刃物製造業で、見学者はふらっと来て、刃物の製造過程などを見て、信頼して購入していくことが多いと聞きました。染色業では、症―ルーム的なスペースをつくり、小物製品なども展示し、好評だとお聞きしました。

製造業で、パワースーツ、バイクの部品を製作している製作所もこの助成を受けています。パイプ曲げ、溶接の実演、見学が行われています。

東京の墨田区でも「まちかど博物館」などとして、町工場の作業過程の見える化などに、町おこしと中小企業の活性化に努力していました。川崎でもオープンファクトリーとしての取り組みがありますが、もっと力を入れるべきではないでしょうか。

その後、堺市立健康福祉プラザを視察しました(上の写真)。 ここには、健康福祉センター、重症心身障害児者支援センター、障がい児者更生相談所、心の健康センター、子ども相談所が合築されています。それぞれの施設長さんなどが出迎えてくださり、施設内も丁寧に案内して下さいました。

181022-堺市障害者専用スポーツセンター施設内にある障がい者専用のスポーツセンターも見学しました。25mのプールが5コースあり、水深は1.1mです。重症心身障害児者の方も年1回はプールに入っていただく、全国的にもめずらしい取り組みではないかと話されました。

障がいを持っている方が自由にやりたいときにスポーツができる、やはり障がい者専用スポーツセンターは必要です。

堺市視察のあと、和歌山県の御坊市に移動しました。泊まったところは駅前のビジネスホテルです。駅の周辺には御坊市産を中心の販売店とコンビニがありましたが、販売店はすでの閉まっていました。

翌日、御坊市の市役所が車を手配してくださいましたが、中心市街地は駅からかなり離れたところにありました。

御坊市役所で2時間余、ブロック塀等撤去改善助成事業についてと、認知症に関する取組みについて伺いました。ブロック塀等の撤去改善助成事業については、市民福祉部防災対策課の方が説明して下さいました。

補助金交付要綱は、平成29年4月「避難路の寸断を防ぐことを目的」として予算額150万円で実施しましたが、実積額は1件・44,000円のみでした。相談件数は6件あったものの、避難路に面していない、家と家の間のブロックなどで、非該当になりました。

そして課題として、地域防災計画に定められた避難路では、限られた場所だけになってしまうことでした。その後、今年6月に発生した大阪北部地震、ここでブロック塀倒壊による死者が2名、家具転倒による死者が1名出たことは、取り組みを大きく改善するきっかけになりました。

和歌山県から「ブロック塀総点検及び家具固定推進実施」の依頼があり、案内の市内全戸配布が行われ、防災対策課の職員で「ブロック塀の診断カルテ」を用いて、簡易診断が行われました。

要綱も変わりました。御坊市の避難路が「不特定多数の者が避難するために特に市長が必要と認める道路」として、大きく拡大されたのです。

そして、今年の予算額150万円に対して9月までの実績は、撤去事業22件・129万6千円、改善事業13件・104万8千円の合計234万4千円で、12月議会で補正を予定しているということでした。

撤去も整備も1敷地につき、それぞれ10万円を限度としているそうですが、御坊市は、他自治体の同制度と比較すると、改善事業の補助金の額や補助率が低いということは、今後の課題としていました。

川崎市は撤去には補助金が出ますが、改善事業の補助額はゼロです。

その後、「認知症とともに生きる」として、介護福祉課の方からお話しを感動的な映像とともに、伺いました。御坊市はスターチスの出荷量が日本一を誇っています。花言葉は「途絶えぬ記憶」「変わらぬ心」「永久不変」だそうです。

花言葉のように「認知症になっても、その人自身であることには変わらない」と。認知症の本人たちが、本人同士で本人たちのペースで話し合える場を提供しようと、「ごぼう本人サミット」を開催したそうです。

認知症の本人の声に耳を傾け、「これからのこと」をいっしょに考え、地域づくりをする。

妻の「夫のことを地域に人に知ってもらいたい」…この思いにどうこたえるか。呼びかけたら集会場に16人もの女性が集まってくれた。認知症介護をしている妻の思いを共有し、「他人事ではないよね」「今度、夫さんの顔見に行くよ」と。

民生委員から「最近、近所の男性が朝から車に乗って出かけるみたいやけど、事故とか起したら…仕事もしていないはずなのにどこへ?」…大工をしていた。

本人にことわって、市職員があとをたどった。仕事場に行って、じっと座り、一日を過ごしていた。仕事場まで行くのに車が必要だった。

市職員は、「仕事場を変えれば車は不必要? 介護認定を受けて、デイサービスにつなげないか?そして、デイサービス事業所に手づくりのお地蔵さんがあるので、その祠をつくっていただけませんか」と。

よろこんで、祠づくりを始めた。その作成中に別の利用者が「祠が完成したら餅まきやな」と盛り上がった。デイサービスのスタッフは市直営の包括支援センターに報告。本人ミーティングを実施し、みんなの要望で餅まきをすることが決まったのです。

地域にも報告し、福祉課長も駆けつけ、認知症の人たちとともに餅づくり。多くの住民とともに、祠の完成を祝い、餅まき開始。手づくりのお地蔵さんも新居に引っ越ししました。

この方はデイサービスを利用するようになり、木材をつかって作品づくりに精を出す。もう車の運転が必要なくなったのです。

こんな風に、本人の思いを、対応した市職員がしっかりと聞き、その言動から本人の思いに気付き、それを形にしていく。

これらの取り組みは、認知症になっても地域の一員として役割をもち、活躍できる地域をめざしてとり組んでいる御坊市のすばらしい実践です。

「私は91歳になるけれど 今が一番充実している。いろいろなことに興味があるし、それを支えてくれるたくさんの人がいる 本当にありがたいと思う」と。

こんな素敵な御坊市の取組みを聞かせていただいて、身も心も温かくなりました。そして、素晴らしい取り組みをされている自治体には必ず、そのことに熱意をもって取り組む職員の姿があるのです。